
この写真は2016年夏の新宿での風景です。月曜日にもかかわらず今や街は外国人であふれています。住宅街に向かってスーツケースを引っ張って10人位でぞろぞろ歩くのを最近本当に良く見かけます。なぜわかるのか?って?それは「あとをつけたから」です・・・
住宅街に向かうということはairbnbの物件に向かっていると思ってまず間違いありません。その証拠に彼等はタワーマンションに入って行きました。しかも、私があとをつけたグループ以外にも続々と入っていきます。
あとで不動産会社に聞くとそこは「エアビーマンション」とか「民泊マンション」と呼ばれていて、空室が出ても一瞬で決まってしまうとのことでした。airbnbや民泊の波は確実に大きくなっていると実感します。あとをつけた帰り道、ドンキホーテに立ち寄ると、日本人を探すことのほうが難しいくらい外国人が多い状況でした。
さて「airbnbとか民泊って、利回りが凄くいいと聞くけど本当?いくらから始められて、月いくら儲かるの?」と良く聞かれるので民泊での収入について書いていきます。
airbnbの収入は物件の探し方次第で年間の利回りは大きく変わってきます。厳しい収益シュミレーションを行えば、副業在宅収入として高収入を稼ぐことも期待できます。
そこで今回は「airbnb運用物件、初期費用と収益シミュレーションの方法」をテーマに、
- 物件運営の初期費用
- 物件運営のランニングコスト
- リスクの計算
- 収益シミュレーション
という内容でお話します。
敷金ゼロ、礼金ゼロに騙されるな!
これが実際の請求書だ!
上から順に
【家賃、共益費】
共益費は管理費と呼ぶこともあります。不動産会社により呼び方が違うだけで同じです。
次に
【敷金】
物件を解約するときに、修繕などで使うお金です。国土交通省のガイドラインで決められているので法外な金額を請求されることはありません。そして使わなかったお金は戻ってきます。
【敷金をぼったくられそうになった時の対処法】
退去時に敷金を返してもらえない時は、「国土交通省のガイドラインを確認して再度ご連絡します。」と言えば、まず間違いなくぼったくられる心配はありません。それでも敷金について納得できない時は行政に無料相談窓口があるので役所等に相談してみることをオススメします。
【礼金、保証金】
保証金について不動産会社に聞いてみたところ、
私:「敷金ゼロ、礼金ゼロ、保証金2とありますが、保証金とは何ですか?」
不動産会社:「礼金2ヶ月というと聞こえが悪いので、保証金と言っているだけです。礼金と同じです。」
なるほど、つまり【敷金ゼロ、礼金ゼロ、保証金2=敷金ゼロ、礼金2】と同じこと。
実は、これにはカラクリがあります。
賃貸の目的が「通常の賃貸」の家賃より、「民泊」利用は48, 000円の家賃アップしていたのです。通常の賃貸目的であれば、183,000円ですが、民泊目的だと231,000円になっていたのです。
そして、
A:民泊許可物件にありがちな、敷金2、礼金2であれば、
231,000×4ヶ月分=924,000円です。
B:しかし、敷金ゼロ、礼金ゼロで、保証金2であれば、
231,000×2ヶ月分=462,000円です。
初期費用を考えるとBのほうが安いので良さそうですが、家賃アップがあるので、
月額48,000円アップ×12ヶ月=576,000円(年額)+462,000円(上記のB)=1,038,000円です。
Aと比べると年114,000円も高いのです。2年契約であれば228,000円の値上がりです。
月額家賃が大幅アップしても契約するべきかについては、他の条件を良く考えます。
家賃アップしているのかどうか、どうやって調べるの?
調べる方法は2つ。
- インターネットで調べる。
- 不動産会社に直接聞く。
インターネットで調べる方法を教えて!
物件の間取り図の書いてある図面に住所が書いてあるので、インターネットで【住所】【建物名】【号室】で検索します。

たいていの場合、HOMES(ホームズ)などで検索結果に表示されます。HOMES(ホームズ)のホームページには家賃が書いてあるので確認します。
HOMES(ホームズ)http://www.homes.co.jp/
不動産会社に聞いたら教えてくれますか?
あなたも民泊許可物件を探し始めると実感しますが「許可物件」の数が少ないので、条件のいい物件は不動産会社や大家の立場が強いのです。その証拠にどの物件でも良く耳にするのは・・・
- 貴重な「民泊許可物件」なので、家賃交渉できません。
- すぐに申込をしないと他の人に取られてしまいます。
民泊利用ではない「通常の家賃」をインターネットで見つけることが出来なければ、不動産会社に直接聞いてみます。これは悪徳不動産会社であるかどうかを見極めるポイントにもなります。なぜなら、不動産会社もウソがバレれば信用問題になるのでウソは言えません。もちろん、中にはウソを言う不動産会社もいます。
しかし、たいていの不動産会社は知っていれば「●●円アップです。」と教えてくれます。または「管理会社から資料を受け取っているだけの状態なので、わかりません。」と教えてくれます。
私は、不動産会社が悪徳ではないか確かめるために、家賃アップの価格を知った上でアップしている金額を聞いてみました。そうすると正直に金額も一致していたので安心材料としました。
このように信頼できる不動産会社は、いくら値上げしているか価格を教えてくれます。
または「わからないので、ご希望であればお調べします。」と言います。
民泊許可物件は希少価値が高いので、住所を書いておくと他の不動産会社に仲介業務を横取りされることもあるので、住所を伏せた状態で情報を流すところもあります。その対策として、申込者、内覧希望者だけに住所を教える不動産会社も少なくありません。
そのような中、事前に住所を聞き出す方法は「現地集合にて内覧希望したい。」と言えば住所を教えてくれます。内覧希望した場合は、あなたの信用にかかわるので必ず内覧には行く必要があります。
または「申込したいので住所を教えてください。」これで教えてくれます。これで教えてくれなければ物件住所を正確に把握できないので他の不動産会社に変更する必要があります。
実は、画像の物件は家賃48,000円アップというあり得ないほどの「大幅値上げ価格」ですが、私は契約しました。理由は・・・
- 家賃アップしても、周辺相場から収益シュミレーションを行っても黒字と判断した。
- 部屋のオーナーと建物のオーナーが同じで「オーナー、一棟所有物件」という強制退去リスクがほぼナシ。
- 建物内の他の部屋でも民泊を複数営業しており、稼働率が80から90%という情報。情報元はホストからの情報なので間違いないと判断。
これらを知った上で、黒字経営できると判断し契約しました。その結果、今開始3ヶ月目ですが開始後ずっと黒字となっています。それでは、請求書の画像に戻ります。
【保証会社加入料】
あなたが家賃を支払うことが出来なくなったときに、大家が家賃を受け取ることが出来るように加入する保険です。保証会社をあなたが選ぶことは出来ません。
【家財保険】
自己加入とありますが私は個人的に「民泊ゲスト専用の火災保険」に加入していますので、家財も一部補償対象ですので問題ありません。
ゲスト専用火災保険に加入していないと、火事の時あなたは自己破産します。
先週、ホストから保険に関する相談をされました。
相談者「ゲストが料理中に、近くにあったキッチンペーパーに火がついて火事になりボヤを起こしてしまったと言うのです。物件を借りる時に加入した火災保険会社に聞いたら、物件の契約者以外による火災、つまりゲストの起こした火事は補償対象外と言われました。これって本当ですか?これからの保険はどうすればいいですか?」
火災保険が使えないので、自腹でコンロと換気扇、シンク周りの修理をすると言っていました。金額は80万円位。これでは何ヶ月分もの収益が吹っ飛んでしまいます。
この方はこれくらいの金額で済んで逆に良かったですが、もっとひどいと数百万、1000万円近く請求されてるケースもあります。こうなると自己破産するしかない人も出てきます。
特に民泊を無許可物件で営業している人は、絶対に知っておかないと大変なことになります。
もし、あなたのairbnbのゲストがガスコンロで、火事を起こしたとしたらどうしますか?
もし、あなたのゲストがトイレをつまらせて、水濡れを起こしたらどうしますか?
時々聞くのは、海外からのゲストはトイレに、トイレットペーパー以外のものを流すことがあります。日本の観光から部屋に戻ってきたら下の階まで水びたしという事例です。
また「禁煙です」と書いておいても、タバコの火の不始末で火事になった事例もあります。
これは実際に起きた事故です。
これらのホストは自腹で物件を修理し掃除しました。もちろんその間1ヶ月以上ゲストの予約はできず、既に予約の入っていたゲストにも謝罪と宿泊のお断りのメールをしなくてはなりません。
ふんだり蹴ったりです。これではせっかくの利益もあっと言う間になくなります。
あなたの物件の保険はゲスト用ですか?
もし、ゲスト専用の保険でもないのに、保険会社に請求しても対象外として断られます。
「airbnb社の保険がついているから大丈夫です。」あなたは、そう言うかもしれません。airbnb社のホスト補償のページを見ても火災保険の単語はどこにもありません。
私はairbnb社に日本で言うところの火災保険は対象となりますか?と問い合わせた結果・・・
ホスト補償は、けがや財物破損で第三者にホスト様が賠償請求された場合、第三者の被害を補償するものですのです。「ホスト保証」と比較してご案内させていただきます。
例えば、適用対象国に滞在中、ゲストがうっかりトイレを破損。バスルームに水が溢れかえり、アパート隣室の居間まで水浸しに。隣の入居者/家主にホストが損害賠償を求められてしまった。
この場合、バスルームはホストの所有物ですのでホストが被害者。
被害は「ホスト保証」でカバーされます。一方、隣家の居間の被害は隣家が被害者。ホストを相手取った損害賠償請求ですので「ホスト補償保険」でカバーされます。よって、ゲスト様が起こした火災、水災、破損、汚損等は適用される場合とされない場合がございます。
落雷、風災、ひょう災等への補償はございませんので理解頂ければ幸いでございます。(日本の火災保険でカバー可能。後述)
ホスト補償保険に関しましては専門スタッフが内容によって、適用されるかどうかをその都度判断いたしますので、家を借りる際に必要な保険には事前に加入頂くことをお勧め致します。ご存知かとは思いますが、宜しければ下記URLもご参照くださいませ。
▼ホスト補償保険について
https://ja.airbnb.com/host-protection-insurance
明言を控える回答でした。ということは火災についてはairbnb社は補償してくれない可能性が大きいです。もしあなたの物件にゲスト専用「火災保険」がついていないのなら、今すぐに加入をオススメします。
私が加入しているゲスト専用の火災保険の担当者に確認したところ、airbnb社の規約には日本の火災保険と同じ保証内容が含まれている。でも「火災」という単語が記載していないので、対象となるかどうかは請求してみないと実際のところわかりません。
私は、自分の身は自分で守るべく、airbnb社の保険には頼らず「自分でゲスト専用の火災保険」に加入しました。
賃貸専用の火災保険から、ゲスト専用火災保険に切り替えたら損しませんか?
私が加入しているゲスト専用の火災保険の担当者は、言いました。
- 「airbnbを既にやっている人は、ゲスト専用保険にムダなく切り替え可能です。」
- 「今まで加入していた保険はどうなりますか?」
- 「ご安心ください。未経過分の保険は全額返金されます。」
- 「これからairbnbを始める人は物件が決まったら新規に加入できます。」
物件契約の時に、不動産会社に紹介される火災保険がゲスト専用保険ではない場合「自分で加入するので加入しません。」と伝えてください。
今、民泊営業している人も「民泊無許可物件」でも、これから物件を契約する人でもゲスト専用の火災保険に加入できます。
火災保険に関する相談が最近凄く増えているので、私は希望者には「ゲスト専用の火災保険」を紹介することにしました。私が個人的に保険担当者を紹介するので「民泊無許可物件」でやっている人でも「ゲスト専用保険」に加入できます。
無許可というだけでも不安とリスクを感じる毎日なので、ゲスト専用火災保険は絶対に入っておくべきです。
補償内容は、火災、落雷、風災、雪災、車両、航空機衝突、建物の外からの衝突、盗難、水災、電気、機械事故など季節によっては落雷、雪災、一戸建てなら車が物件に突っこむ事故などカバーできます。
通常、不動産会社が紹介する火災保険に加入してくださいと言います。担当者も強制加入するものだと思いこんでいる人もいます。しかし、これは断ることができます。次のように不動産会社に必ず確認してください。
「御社で加入する火災保険は、ゲストに適用されますか?」と。
もし適用されると言うのであれば、保険会社の担当者にも必ず聞いてください。不動産会社が間違った案内をしても後日責任は追求できませんが、保険会社であれば厳しい法律の範囲内で営業しているのでまずウソは言うことはありません。もちろん書面で確認する必要もあります。適用されるのであればそのまま、加入してOKですが、適用されない場合は、
「それではゲスト適用の火災保険に自分で加入するので不要です。」と言ってください。
時々、状況のいい物件の場合、強気の不動産会社は、
「火災保険は強制ではありませんが、ウチが紹介する火災保険に加入することが賃貸の条件です。」など決めているところもあります。実際私がコンサルしている方でそのような事例がありました。
それでもご安心ください。一度不動産会社紹介の火災保険に加入して、契約後火災保険を解約して、再度ゲスト適用保険に加入すればいいだけです。支払った保険料の未経過分については戻ってきますので、ムダなく乗り換え可能です。
民泊ゲスト対象の「火災保険」を加入したいという方は、このページの最下部よりメッセージをお送りください。その際には、火災保険加入希望と書いてください。
民泊許可物件なのに、なぜ火災保険が使えないのか?
理由は、民泊許可物件でもゲストに対応していない「賃貸者用保険」に加入させるからです。変更せずに賃貸専用保険だと何かあったときに高額のお金を支払うことにもなりかねないので、必ずゲスト適用保険に加入してください。
民泊許可物件であっても、ゲスト専用火災保険に対応していない無意味な「火災保険」に形式上、加入させることが民泊の現状なので、必ず物件契約時には確認してください。
物件運営の初期費用
まずは、airbnbの運用物件を取得するための初期費用を計算します。airbnbで物件を運用する場合には、3つのパターンがあります。
- 新たに借りる
- 新たに購入する
- 空き部屋を活用する
1、物件購入・賃貸物件でかかる初期費用
物件を購入する時も賃貸する時も共通でかかる初期費用については、
- 家具一式:宿泊時、最低限必要である家具「ベッド」「デスク」「ソファ(椅子)」
- 家電一式:宿泊時、最低限必要である家電「冷蔵庫」「電子レンジ」「ポット」
- アメニティグッズ:タオルやドライヤー、シャンプー、ボディーソープなど
- その他設備:インターネットが使えるwifi設備など
通常の投資用不動産であれば「部屋を借りる人」が上記は準備しますので必要ありませんが、airbnb運営物件は自分で準備しなければいけません。特に家具・家電の一式を揃えるとなると数十万円の費用が掛かりますので、以下に記載する初期費用と合わせて計算します。
家具・家電の概算は、必要最低限で計算すると以下のようになります。もちろん、いいものを揃えるともっと金額は上がります。
- 4人部屋 約25万円から
- 6人部屋 約35万円から
- 10人部屋 約40万円から
- 12人部屋 約45万円から
これはリサイクルショップなどリーズナブルな入手方法で揃える場合です。
2、物件購入の場合
つづいて、物件購入の場合です。物件購入時には以下のような初期費用が掛かってきます。
- 仲介手数料:物件価格×3%+6万円(手数料率は物件価格で変動します)
- 銀行関係費用:住宅ローン保証料、手続きに関する手数料
- 登記関係費用:所有権移転登記、抵当権設定登記、司法書士報酬料
新築物件の場合には上記の「仲介手数料」がなくなります。また、登記関係費用の税率(登録免許税)については、国税庁ホームページをご覧ください。引越し費用なども関わってきますので一概には言えませんが、物件取得の際(中古物件)の初期費用は物件価格×5%程度の金額が掛かってくると計算しておきましょう。
国税庁ホームページ
https://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7191.htm
3、物件賃貸の場合
つづいて、最も多いパターンですが物件を借りた時の場合です。物件賃貸時には以下のような初期費用が必要となります。
- 仲介手数料:家賃1ヵ月分程度
- 敷金:家賃1〜2か月程度
- 礼金:家賃1〜2か月程度
- 保険料:火災保険や地震保険などの一部を請求される場合があります
仲介手数料や敷金の金額も不動産会社やオーナーによって異なりますので、なるべく上記のような初期費用を抑える事が出来る物件を選びましょう。
初期費用の概算としては・・・
- 家賃×6ヶ月分
- 【内訳】⇒敷金2+礼金2(最も多いパターン)=4ヶ月分
前家賃×1ヶ月分+仲介手数料×1ヶ月分=2ヶ月分
- 鍵交換代約2万円
- 事務手数料約2万円となります。
10万円の物件であれば上記合計64万円。ここに上述の家具家電が追加されます。
- 4人部屋 約25万円から
- 6人部屋 約35万円から
- 10人部屋 約40万円から
- 12人部屋 約45万円から
4人部屋であれば、64万円+25万円=89万円
4、物件を選ぶ際の注意点
購入時も賃貸時も物件を選ぶ際には必ず民泊許可物件で民泊を始めることを強くおすすめします。副業としてパートやアルバイトをしていて会社にバレても注意される程度のことで済むこともありますが、民泊がバレると強制退去となり初期費用が全て無くなりますので要注意です。
管理組合(住民で構成)は、許可はまず取れないので仕方ありませんが、物件の大家(オーナー)や管理会社の許可は必ず取るようにしてください。
そのため、オーナーに必ず確認をしてから物件を選びましょう。購入時のオーナーは居住者で作る「管理組合」になり、分譲マンションは特に管理規約で民泊利用禁止と記載してあるので許可を得るのは非常に困難です。
物件運営のランニングコスト
airbnb運営物件の収益を計算するには、初期費用だけでなくランニングコストも考える必要があります。ランニングコストとは、月々コンスタントにかかる以下の費用の事です。
- 管理費・修繕積立金:マンション自体に掛かる費用
- 光熱費:宿泊者が使用した光熱費
- その他費用:wifiの契約料など
- 補修費用:使用状況によっては随時補修する必要があります
- 火災保険・地震保険料:購入時のみ。地震保険は任意加入
- 固定資産税:購入時のみ。年間かかってくる費用
最も多いパターンである、民泊を始めるために新たに物件を借りる場合、以下の私の例を参考にしてみてください。
【宿泊可能人数6人の場合】
- 家賃231,000円
- 共益費(管理費と同じ)12,000円
- ポケットwifi⇒約8,618円
- 民泊代行会社(顧客対応、価格設定、清掃手配など)月額44,000円
ここまで合計295,618円、ここから清掃費用を払います。
光熱費は・・・
- 水道代4,000円
- 電気代8,000円
- ガス代4,000円
合計313,618円
リスクの計算
つづいて、リスクの計算をします。リスクの計算とは、「宿泊費の設定」と「宿泊費の下落」そして「年間稼働率」についてです。
1、誰もが知りたい宿泊料の設定方法とは?
宿泊費の設定は競合物件をリサーチします。airbnbのサイトで自分が取得しようと思っているエリアを確認します。そのエリアで他のairbnbに登録している物件の宿泊料、また競合しそうなホテルや旅館が近くにあれば、その宿泊料も調べます。その上で以下の点に注意して宿泊料を設定します。
- 宿泊可能人数
- 駅からの距離
- 観光地への行きやすさ
- 周辺環境
- 築年数
特に駅距離と観光地への行きやすさは重要です。例えば駅5分と駅10分では、一般的に駅5分の方が宿泊料を高く設定できます。しかし、例えば東口駅5分と西口駅10分で、西口の方に観光地スポットがあるとします。仮に駅5分の物件からは観光地まで徒歩20分程度かかるとして、駅10分の物件からは徒歩5分で行けるとします。
そうなると駅10分でも価値が高くなり、駅5分と同等、もしくはそれ以上の宿泊料に設定できるかもしれません。airbnbは外国人の利用者が多いため、観光地への行きやすさは重要になってくるのです。また、競合物件が多ければ多いほど、宿泊費が上下するリスクが高くなりますので頻繁に宿泊費を確認します。
宿泊料金設定については毎日更新することで【新着更新】扱いとなり「airbnbのサイト内で上位表示される1つの要素」と言われていますので、毎日更新が必要となります。
考えるべきポイントは、
- 周辺相場
- 予約が入ったら他のスケジュールの価格を上げる
- 予約が入らないようであれば価格を下げる
- 桜の時期、年末、夏休みなど閑散期、繁忙期などの時期を考える。などです。
私は、代行会社に料金設定を任せていますので、リサーチなどの膨大な時間を節約出来ています。しかも、在宅収入の副業として黒字運用出来ています。
2、年間稼働率
年間稼働率とは言い換えると空室リスクの事です。airbnb物件を取得したとしても、常時宿泊者がいるワケではありません。空室になり宿泊者がいない時もあります。そのため収益シミュレーションをする上では、どの程度の稼働率であるかを確認しましょう。
一番良い方法は近くの不動産会社にヒアリングをする事です。投資用物件を探しているという風にヒアリングすれば、その不動産会社が持っているデータを見せてくれます。また、それでも分からない場合には宿泊料を競合と比べて同等に設定するという前提で、稼働率60%程度で見ておきましょう。
民泊の収入シミュレーションは、どうやってやるの?
airbnbの運営物件で収入シミュレーションする時には、こちらも物件を購入するか賃貸するかで変わってきます。
1、物件購入時
airbnb運営物件で収益シミュレーションをする時には、収益還元法を利用しましょう。収益還元法とは、その物件が将来生み出すと予測される利益を基に物件価格を算出する方法です。計算式は以下になります。
計算式:「(年間収入−ランニングコスト)÷還元利回り(自分自身が物件から得たい利回り)」正確にはこの金額に初期費用を足した金額が自分の理想の利回りを実現できる物件価格になります。
例えば、airbnbの宿泊料設定が8,000円(airbnbに支払う手数料などを加味した上で)、年間諸経費30万円、稼働率60%、還元利回り7%で設定した時には以下のような計算になります。
((8,000円×365日×60%)−30万円))÷7%=約2,074万円
この金額だと約103万円の諸費用(5%)と家具代など約30万円程度が別途でかかります。そのため、合計で約2,207万円以下の物件であれば目標利回りはクリアできるという計算になります。
2、物件賃貸時
物件を賃貸する時にも基本的な考えは購入時と同じです。考えるべきは年間宿泊料、年間諸経費、初期費用になります。例えば以下のような物件だと賃料いくらの物件が適正でしょうか。
- 年間宿泊料:8,000円×365日×60%
- 年間ランニングコスト:18万円
- 初期費用:80万円(家具・家電代などを含む)
これらを計算すると年間宿泊料、約175万円ーランニングコスト18万円で年間の収益は157万円になります。これを1ヵ月に割り戻すと約13万円になりますので、13万円未満の賃料なら利益が出るという事です。
また、初期費用80万円は「借金」と考えると分かり易いです。例えば上記の事例で賃料が10万円だったとします、そうなると、月々3万円ずつ黒字になっているという事です。つまり、月々3万円ずつ80万円の借金を返しているので26.6か月(2年強)は借金返済期間で、その後は純粋に月々3万円の利益が出ているという事になります。
1ヶ月単位での収入シュミレーション
相場宿泊料が10,000円だとした場合、稼働率60%(18日)で計算します。18万円が売上になり、ここから3%(5,400円)のairbnbへの手数料を引きます。さらにwifi代8,000円、光熱費10,000円を引きます。
売上予想180,000円-5,400円-8,000円-10,000円=156,600円
上記金額より家賃が安ければ利益が出るという計算になります。
まとめ
airbnbで利益を上げるためには、物件契約する前に収入シミュレーションは必ず行います。特に初期費用や宿泊料、また稼働率などの数字を見誤ると、利益がでるどころか赤字になってしまうので要注意。しかし、だからと言って稼働率を極端に低く設定したり、宿泊費用を極端に安く設定しないでください。
そうなると、いつまで経っても理想の物件には巡り合わないからです。不動産会社と相談しながら「適正」を見極め、効率の良い運営が出来るようにリサーチします。
ここで大きな勘違い・誤りです。
不動産会社が【稼げる物件を紹介してくれるだろう】と勝手に期待する人がいますが、これは大きな勘違いです。不動産会社の利益は物件の仲介手数料なので、あなたが赤字になろうが全く関係ありません。
物件の収益シュミレーションをした上で、物件を借りることが最重要です。