民泊について調べると、
「月30万円いける」
「副業でも稼げる」
といった情報をよく見かけます。
実際、民泊はうまく運営すれば
しっかり売上を作れるビジネスです。
ただその一方で、
「思ったより利益が残らない」
「忙しいのに儲かっている感じがしない」
と感じる人も少なくありません。
その原因の多くは、
運営コストの見積もりが甘いこと
にあります。
結論から言うと、民泊の運営コストは売上の50%前後かかるケースが多く、想像以上に利益は残りません。
民泊では、
・清掃費
・リネン費用
・光熱費
・予約サイトの手数料
など、家賃以外にもさまざまなコストがかかります。
しかも、
売上が増えるほどコストも増える
という特徴があります。
さらに、実際に運営してみると、
想定通りにいかないコスト
も出てきます。
この記事では、実体験をもとに、
・民泊の運営コストの内訳
・ざっくりした金額感
を分かりやすく解説していきます。
民泊は「家賃以外」が意外とかかる
民泊を始める前、多くの人がこう考えます。
「家賃より多く売上があれば儲かるんじゃないか」
これは半分正解で、半分間違いです。
確かに、民泊は家賃をベースにしたビジネスです。
ただ実際に運営してみると分かるのが、
家賃以外のコストが想像以上に多い
ということです。
例えば、
・清掃費
・リネンの洗濯や交換
・消耗品(トイレットペーパー、洗剤など)
・光熱費
・予約サイトの手数料
こういった費用が、毎月コンスタントにかかってきます。
しかも厄介なのが、これらの多くは
売上が増えるほど増えていくコスト
だという点です。
実際に運営していると、
「売上はしっかりあるのに、思ったより手元に残らない」
という感覚になることがあります。
これは決して珍しいことではなく、
むしろ民泊ではよくある状態です。
民泊の収益はシンプルに考えると
売上 − 運営コスト = 利益
ですが、この「運営コスト」を甘く見積もると、
・忙しいのに儲からない
・稼働しているのに利益が出ない
という状態に陥ります。
逆に言えば、民泊は
コスト構造を正しく理解できているかどうか
で、結果が大きく変わるビジネスです。
この記事では、実際の運営経験をもとに
・どんなコストがかかるのか
・それぞれどれくらいの負担になるのか
をできるだけ分かりやすく解説していきます。
これから民泊を始める方はもちろん、
すでに運営している方にとっても、
「なんとなくの違和感」を言語化できる内容になれば嬉しいです。
運営コストは2種類に分かれる
民泊の運営コストを理解するうえで、まず押さえておきたいのが
コストは大きく2種類に分かれる
という点です。
この構造を理解するだけで、収支の見え方が一気に変わります。
固定費(毎月ほぼ一定でかかる費用)
固定費とは、売上や稼働に関係なく、毎月発生するコストのことです。
例えば、
・家賃
・Wi-Fi
・保険
・管理費
などが該当します。
これらは極端な話、1件も予約が入らなくても発生する費用です。
そのため、固定費が高いほど
・稼働しないと赤字になる
・精神的なプレッシャーが大きい
という状態になります。
民泊を始める際に「家賃は大丈夫そう」と思っていても、
この固定費の存在が後からじわじわ効いてくることは少なくありません。
変動費(稼働に応じて増える費用)
一方で、変動費は
予約数や稼働に応じて増えていくコスト
です。
例えば、
・清掃費
・リネン費用
・消耗品
・光熱費
・OTA(予約サイト)手数料
などがこれにあたります。
一見すると「予約が増えるなら問題ないのでは?」と思うかもしれません。
しかし実際には、
売上と一緒にコストも増えていく
ため、単純に「稼働率を上げれば儲かる」とは言えません。
特に民泊は、
・回転数が増えるほど清掃費が増える
・滞在が増えるほど光熱費が増える
といった構造になっているため、
思ったより利益が伸びない
というケースも多く見られます。
民泊は「変動費ビジネス」
ここまでをまとめると、民泊は
固定費+変動費の組み合わせで成り立つビジネス
ですが、体感としては
変動費の影響がかなり大きいビジネス
です。
つまり、
・売上だけを見るのではなく
・コストがどう増えていくかを見る
この視点がとても重要になります。
固定費の内訳(逃げられないコスト)
ここからは、まず固定費について具体的に見ていきます。
固定費は、民泊運営において
避けることができないコスト
です。
そしてこの固定費が、実は
収支の土台を決める要素
でもあります。
家賃(最も大きな固定費)
言うまでもなく、家賃は最大の固定費です。
民泊はこの家賃をベースに成り立っているため、
・家賃が高い=必要売上も高くなる
・家賃が低い=利益が出やすい
という非常にシンプルな構造になっています。
そのため、
「なんとなく良さそうな物件」
で決めてしまうと、
後からずっと苦しくなる
ということもあります。
Wi-Fi・通信費
意外と見落とされがちですが、Wi-Fiも固定費です。
民泊ではほぼ必須の設備なので、
確実に毎月発生するコスト
として考えておく必要があります。
また、回線の質が悪いとレビューに影響することもあるため、
単純に安ければいいというわけでもありません。
保険・システム利用料など
その他にも、
・火災保険
・システム利用料(導入している場合)
なども固定費に含まれます。
一つ一つはそこまで大きくなくても、
積み重なると無視できない金額
になります。
固定費の本質は「稼働ゼロでもかかること」
固定費で一番重要なのはここです。
それは、
予約が入らなくても必ず発生する
という点です。
例えば、閑散期で予約が減った月でも、
・家賃は変わらない
・Wi-Fiも止められない
つまり、
売上が減ってもコストは減らない
という状態になります。
これが民泊における
「思ったよりしんどい」と感じる原因のひとつです。
固定費はコントロールしにくい
もう一つ重要なのが、
固定費は一度決めると
後から調整が難しい
という点です。
・家賃はすぐに下げられない
・契約も簡単には変えられない
つまり、
スタート時点でほぼ決まってしまうコスト
です。
だからこそ民泊では、
・いくらで借りるか
・どの物件を選ぶか
がそのまま収益性に直結します。
変動費の内訳
固定費が「避けられないコスト」だとすると、
変動費は
利益を大きく左右するコスト
です。
民泊では、この変動費の動きを理解していないと、
「売上はあるのに利益が残らない」
という状態になりやすくなります。
清掃費
変動費の中で、最も大きな割合を占めるのが清掃費です。
民泊ではゲストが入れ替わるたびに清掃が発生するため、
・予約数が増える
・回転が上がる
と、そのまま清掃費も増えていきます。
例えば、1回あたりの清掃費が数千円〜1万円程度でも、
回転が増えれば月に数万円単位で変わってきます。
つまり、
売上を伸ばそうとすると、同時に清掃費も増える
という構造です。
リネン費用
次に意外と効いてくるのがリネン費用です。
・シーツ
・タオル
・カバー類
などは、洗濯・交換のたびにコストがかかります。
特に連泊が少なく回転が多い物件では、
清掃費とセットで
リネンコストも一気に増える
傾向があります。
また、消耗もあるため、
定期的な買い替えコストも発生します。
消耗品
消耗品は一つ一つは小さいですが、
積み重なると無視できません。
・トイレットペーパー
・ティッシュ
・洗剤
・ゴミ袋
などは、稼働に比例して確実に増えていきます。
目立たない分、気づいたときには
「思ったより使っている」
となりやすい部分です。
光熱費
そして、個人的に一番「読みにくい」と感じているのが光熱費です。
電気・ガス・水道は、
当然ながらゲストの使い方に大きく左右されます。
例えば、
・外出中でもエアコンをつけっぱなし
・夏でも冬でもフル稼働
・設定温度も気にしない
といった使い方をされることも珍しくありません。
自宅であれば、
「外出時はエアコンを消す」
「夏は28度設定にする」
といった意識がありますが、
ゲストにそれを求めることは基本的にできません。
その結果、
月によって光熱費が大きく跳ねる
ことがあります。
この光熱費は、
・稼働が増えると増える
・さらに使い方によってブレる
という特徴があり、
コントロールしにくいコスト
の代表格です。
OTA手数料
最後に、予約サイトの手数料も忘れてはいけません。
AirbnbやBooking.comなどのOTAを利用する場合、
売上の一部が手数料として差し引かれます。
これは一見すると目立たないですが、
売上に対して一定割合で発生するため、
確実に利益を削るコスト
です。
変動費は「売上と一緒に増える」
ここまで見てきた通り、変動費は
・売上が増えるほど増える
・稼働が上がるほど膨らむ
という特徴があります。
つまり、
「売上が伸びた=そのまま利益が増える」
とはならないのが民泊です。
この構造を理解していないと、
忙しいのに儲からない
という状態に陥りやすくなります。
【実体験】ざっくりどれくらいかかる?リアルなコスト感
ここまでコストの内訳を見てきましたが、
「実際いくらくらいかかるのか?」
が一番気になるところだと思います。
ここでは、私が実際に運営している物件のデータをもとに、
ざっくりとしたコスト感を紹介します。
※詳細な数字は有料noteで公開しています。
月の売上とコストのイメージ
一つの目安として、
月の売上が30万〜40万円前後のとき
のコスト感はこんなイメージです。
・清掃費:7万〜10万円前後
・OTA手数料:3万〜5万円前後
・光熱費:2万〜4万円前後
・その他(リネン・消耗品など):数万円
これらを合計すると、
コストはおおよそ15万〜25万円程度
になります。
つまり、
売上30万〜40万円あっても、
そのまま利益になるわけではなく、
半分以上がコストとして消えていく
という感覚です。
コストの割合で見るとこうなる
もう少し分かりやすくするために、
売上に対する割合で見ると、
・清掃費:20〜30%
・OTA手数料:10〜15%
・光熱費:5〜10%
・その他:数%〜10%程度
という構成になります。
この中でも特に大きいのが、
清掃費と手数料
です。
この2つだけで、売上の30〜40%近くを占めることもあります。
想定外だったのは「光熱費」
そして、実際に運営してみて一番印象的だったのが、
光熱費のブレの大きさです。
民泊では、部屋の使い方はゲストに委ねられます。
そのため、
・外出中でもエアコンをつけっぱなし
・夏も冬もフル稼働
・設定温度も気にしない
といった使い方をされることも普通にあります。
自宅であれば、
「ちょっと外出するから消そう」
「夏は28度くらいでいいかな」
といった意識が働きますが、
ゲストにそこまで求めるのは現実的ではありません。
結果として、
月によって光熱費が大きく跳ねる
ことがあります。
同じような稼働でも、
・使い方が穏やかな月
・エアコンがフル稼働になる月
で、体感としては明らかに差が出ます。
このように光熱費は、
・稼働に比例して増える
・さらに使い方で上下する
という特徴があり、
非常に読みづらいコストです。
民泊のリアルな感覚
ここまでをまとめると、
民泊のコストは
・ある程度は予測できる
・でも完全にはコントロールできない
というのが実感です。
そしてこの「ズレ」があるからこそ、
・思ったより残らない
・月によって利益がブレる
という現象が起きます。
コストを見誤るとどうなるか+まとめ
ここまで見てきた通り、民泊は
売上だけを見ても意味がないビジネスです。
実際によくあるのが、
・稼働もしている
・予約も入っている
それなのに、
思ったよりお金が残らない
という状態です。
これはシンプルに、
コストの見積もりが甘い
ことが原因です。
よくある誤解
民泊を始める前や、始めたばかりの頃にありがちな誤解として、
次のようなものがあります。
清掃費はゲスト負担だから問題ない
確かに、清掃費は別途請求することが多いですが、
・価格競争の影響を受ける
・完全に回収できるとは限らない
といった事情があります。
また、実際の運用では
思ったより利益に直結しない
と感じるケースも多いです。
稼働率を上げれば儲かる
これも半分正解で、半分間違いです。
稼働率を上げると、
・売上は伸びる
・同時にコストも増える
ため、
利益が比例して増えるとは限りません。
特に、
・清掃費
・光熱費
は稼働と強く連動するため、
「忙しいのに利益が薄い」
という状態になりやすいポイントです。
民泊は「コスト管理」のビジネス
ここまでをまとめると、民泊は
売上を伸ばすゲームではなく、
コストを含めて設計するビジネスです。
・どれくらい売上が立つか
だけでなく、
・どれくらいコストがかかるのか
・どこまでコントロールできるのか
をセットで考えることが重要です。
特に今回見てきたように、
・変動費は稼働と一緒に増える
・光熱費のように読めないコストもある
といった特徴を理解しておくことで、
「思っていたのと違う」
というズレを減らすことができます。
まとめ
民泊の収支はとてもシンプルです。
売上 − コスト = 利益
ただし、その「コスト」の中身は
・固定費
・変動費
に分かれており、さらに
・コントロールできるもの
・できないもの
が混ざっています。
この構造を理解することで、
民泊は初めて
「成立するビジネス」になる
と感じています。
これから民泊を始める方は、
売上だけで判断するのではなく、
ぜひ一度、
コストの全体像
にも目を向けてみてください。
※収益の具体的な考え方については、こちらの記事でも詳しく解説しています
※備品選びによるコストの違いについてはこちら




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