民泊運営において、リスティング写真は予約率を大きく左右する要素のひとつです。
賃貸物件と違って民泊は内覧なしで予約が決まるため、写真がそのまま「物件の印象」になります。とはいえ、いざプロに頼もうとすると、依頼先の選択肢は意外と多く、どれを選べばいいか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、私自身が大阪で2棟の民泊を運営する中で実際に利用した方法も含めて、写真撮影の依頼先5つを比較していきます。これから民泊を始める方、リスティング公開を控えている方の参考になれば幸いです。
リスティング公開前に整えておきたいポイントはこちらの記事で紹介しています👇

民泊の写真撮影をプロに頼んだ方がいい理由
私自身、最初は「自分のスマホでも撮れるんじゃない?」と思っていました。最近のスマホは性能も良いですし、無料の編集アプリも充実しています。コストがゼロで済む上に、撮り直しもいつでもできる。そう考えると、つい自分で撮ろうとしてしまうんですよね。
でも、よく考えてみると、民泊は賃貸物件と違って内覧なしで予約が決まる商品です。ゲストはリスティング写真だけを見て「ここに泊まりたい」と判断します。つまり、写真がそのまま「物件の内覧」の役割を果たしているわけです。
賃貸物件であれば、写真がイマイチでも内覧で挽回できる可能性があります。でも民泊にはそのチャンスがありません。リスティング公開直後にイマイチな写真でスタートしてしまうと、初動の予約が伸びず、レビューも積み上がらず、検索順位も上がりにくいという悪循環に入ってしまいます。
自分で撮影する場合、広角レンズなどの機材や編集スキルも必要になってきます。スマホの広角モードでも対応はできますが、プロが撮った写真と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。
ここでケチると、回り回って長期的な売上に響いてくる。そう考えると、写真撮影は「コスト」ではなく「初期投資」として捉えた方がいいというのが、2棟運営してみての私の結論です。
民泊の写真撮影、プロに依頼する5つの選択肢
ここからは、プロに写真撮影を依頼する選択肢を5つに整理してご紹介します。費用感やメリット・デメリットを比較しながら、ご自身に合った方法を選んでみてください。
1. 身内・知人のカメラマンに依頼する
身内や知人にカメラマンとして仕事をしている方がいれば、その方に依頼するのも有力な選択肢です。
私自身、1棟目の物件を撮影してもらったのは身内のカメラマンでした。費用面で融通が利きやすいですし、要望も細かく伝えやすいので、コミュニケーション面では非常にスムーズでした。
ただ、いくつか注意点もあります。
まず、必要な機材が揃っているとは限りません。1棟目を撮影してもらった時も、民泊撮影に必須の広角レンズは持っていないとのことで、レンズをレンタルしてもらいました。レンズって借りれるんですね。これは依頼するまで知らなかったので、ちょっとした発見でした。
それから、相手の都合がつかないと撮影できないという点も意識しておく必要があります。2棟目の物件を撮影しようとした時、同じ身内に頼みたかったのですが、あいにくその時期は都合がつかず、別の方にお願いすることになりました。
身内だからこそ、撮影箇所のリストアップや当日の進行については、事前に丁寧にすり合わせをしておくのがおすすめです。
2. 近所の写真屋さんに依頼する
意外と見落とされがちなのが、近所の写真屋さんに相談する方法です。
私が2棟目を撮影してもらったのが、まさにこのパターンでした。身内の都合がつかなかったので、近所の写真屋さんに相談に行ったところ、これまで竣工写真などを撮ったことがあるとのことで、建物の撮影実績がしっかりある方でした。これなら安心して任せられると判断してお願いした形です。
費用は5万円。決して安くはないですが、1棟目の仕上がりと比べると「さすがプロ」という出来栄えで、結果的には依頼してよかったと感じています。
近所だったこともあり、出張費なしで撮影に来てもらえたのもありがたかったポイントです。代行会社に依頼すると別途出張費がかかることもあるので、立地によっては地元の写真屋さんという選択肢が思いのほか合理的になることがあります。
ただし、写真屋さんによっては不動産や民泊撮影の経験があるとは限りません。竣工写真などの建物撮影の実績があるか、広角レンズが使えるか、自然光中心の撮影スタイルに対応してくれるかなど、事前に相談しておくと安心です。
地域密着で柔軟に対応してくれる点は、近所の写真屋さんならではの強みだと感じました。
3. 写真撮影の代行会社に依頼する
民泊や不動産物件の撮影に特化した代行会社に依頼する方法もあります。
費用相場は3万円程度から。週末料金が発生することもあるので、見積もりを取る際は曜日も確認しておきましょう。
メリットは、民泊撮影に慣れているため、こちらが細かく指示しなくても適切なアングルや構図で撮影してくれる点です。納品スピードも比較的早く、すぐにリスティングに反映できます。
民泊の運営代行を検討している方は、撮影サービスが含まれている代行会社を選ぶと、運営をまるごと任せられるので便利です。
費用は他の選択肢よりやや高めですが、確実性とスピードを重視する方には向いている選択肢です。
4. Airbnbの写真撮影プログラムを使う
Airbnbには「プロによる写真撮影プログラム」というサービスがあり、Airbnb経由でフリーランスのプロカメラマンに撮影を依頼できます。
最新の仕様を確認したところ、Airbnb上で公開されているメールアドレスへ依頼のメールを送る形で申し込みができるようです。72時間以内に返信があり、見積もりが案内されるという流れです。撮影後はAirbnbの編集チームが写真のクオリティを整えて、約1週間以内にリスティングに反映してくれます。
1部屋あたり2〜3枚という撮影枚数なので、決して大量に撮ってもらえるわけではありません。納品される画像の枚数は宿泊施設の規模によって決まります。また、既存のリスティング写真が削除されてしまうことはないので、追加で写真を増やしたい段階での利用がしっくりきそうです。
注意点として、プロによる写真撮影はリスティング1件につき1回のみの提供で、撮影開始後の返金はできません。改装の予定がある場合は、改装が終わってから依頼するのが鉄則です。
私自身は1棟目も2棟目もこのプログラムを使わなかったのですが、その理由は当時、リスティングを公開してからでないと申し込めない仕様だったように記憶しているからです。このあたりは私もちゃんと確認したわけではないので断言はできないのですが、いずれにしてもリスティング公開直後の写真がイマイチな状態でスタートしてしまうのは機会損失だと感じました。
リスティング公開直後はAirbnbのアルゴリズム上「新規物件」として優遇される期間があるため、この時期にベストな状態で勝負したいと考え、自分でカメラマンを手配する方を選びました。
最新の申し込み条件や費用については、Airbnbのヘルプセンターまたは上記のメールアドレスへ直接問い合わせて確認してみてください。
5. クラウドソーシングや個人のカメラマンに依頼する
最後にご紹介するのが、クラウドソーシングや個人マッチングのサービスを使って、フリーランスのカメラマンを探す方法です。
ランサーズやクラウドワークスといった一般的なクラウドソーシングのほか、くらしのマーケットやココナラなどでも個人で活動しているカメラマンに直接依頼ができます。それぞれのプラットフォームに不動産や民泊の撮影経験があるカメラマンが登録しているので、希望に合いそうな方を探してみるとよいでしょう。
代行会社に依頼するよりも中間マージンがかからない分、比較的コストを抑えやすいのが特徴です。条件交渉も直接できるので、撮影内容や納品形式について柔軟に対応してくれるカメラマンが見つかりやすい印象です。
相場は1万円から3万円程度。条件によって幅はあります。
ただし、フリーランスのため当たり外れがあるのも事実です。過去の撮影実績や評価、ポートフォリオをしっかり確認してから依頼するのがおすすめです。可能であれば、過去に民泊や不動産物件を撮影した実績があるかを確認しておくと安心です。
| 依頼先 | 費用相場 | 納期 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|---|
| 身内・知人のカメラマン | 応相談 | 調整次第 | 費用を抑えやすい、要望を細かく伝えやすい | 機材が揃っているとは限らない、相手の都合に左右される | 信頼できる知人カメラマンがいる方 |
| 近所の写真屋さん | 3万円〜5万円程度 | 1〜2週間 | 出張費がかからないことがある、地域密着で柔軟 | 民泊撮影の経験があるとは限らない | 近所に建物撮影の実績がある写真屋さんがある方 |
| 写真撮影の代行会社 | 3万円〜 | 1〜2週間 | 民泊撮影に慣れている、納品スピードが早い | 費用がやや高め、週末料金が発生することも | 確実性とスピードを重視する方 |
| Airbnbの写真撮影プログラム | 要見積もり | 申込から約1週間で公開 | Airbnb基準のクオリティ、編集チームによる仕上げ | 1部屋2〜3枚と少なめ、1リスティング1回限り、撮影後返金不可 | すでに運営中で写真を追加したい方 |
| クラウドソーシング・個人のカメラマン | 1万円〜3万円程度 | カメラマン次第 | 中間マージンがかからず比較的安価、条件交渉がしやすい | 当たり外れがある、実績の見極めが必要 | コストを抑えつつプロ品質を確保したい方 |
依頼先を選ぶときに見ておきたい3つのポイント
選択肢が多すぎて迷ってしまうという方のために、依頼先を選ぶ際に必ず確認しておきたいポイントを3つご紹介します。
広角レンズに対応できるか
民泊撮影では、広角レンズがほぼ必須です。広角レンズを使うことで、部屋全体を一枚の写真に収められ、空間の広さを伝えやすくなります。
代行会社やクラウドソーシングのプロカメラマンであれば基本的に対応可能ですが、身内や知人、近所の写真屋さんに依頼する場合は事前確認が必要です。
私の1棟目のケースのように、レンズをレンタルすれば対応できることもあります。レンタルの選択肢があると知っておくと、依頼の幅が広がります。
自然光で撮影する前提か
1棟目も2棟目も、撮影してくれたカメラマンは部屋の電気を消して、自然光のみで撮影していました。これは民泊撮影の基本スタイルのようです。
電気をつけて撮影すると、電球の色味によって部屋が青白く見えたり、不自然な影が出てしまったりすることがあります。自然光で撮影してから、フォトショップなどの編集ソフトで明るさや彩度を調整するのが一般的な流れです。
ここで重要になるのが、撮影日の天気です。1棟目の撮影日はあいにくの雨で、しかも部屋自体の日当たりがあまり良くなかったため、2棟目と比較すると明るさの面で物足りない仕上がりになってしまいました。
可能であれば、天気予報を見て晴れの日に撮影日を調整できるとベストです。スケジュールに余裕を持って依頼を進めましょう。
戸建てや構造の伝わるアングルに対応してくれるか
戸建ての民泊を運営している場合は、物件の構造が写真でも伝わるようなアングルで撮影してもらう必要があります。
私の物件は2棟とも戸建てですが、階段が写るアングルで撮影してもらうことで、ゲストに「ここは1階と2階に分かれているんだな」と理解してもらえます。
また、外観や玄関も忘れがちなポイントです。実は私も最初の打ち合わせで外観の指示を忘れそうになりました。撮影前に必ずリストアップしておきましょう。
撮影を依頼する前にホスト側が準備しておくこと
依頼先が決まったら、撮影日に向けてホスト側でも準備を進めます。私が2棟分の撮影を経験して「これは必須だな」と感じた準備事項をまとめておきます。
撮影箇所のリストアップは特に重要です。どの部屋・どの設備・どのアングルから撮ってほしいか、さらに縦向きと横向きのどちらが必要かまで指定しておくと、当日スムーズに進みます。後から「あ、この角度から撮っておけばよかった」と気づくと、再撮影は手間もコストもかかります。
部屋の清掃と小物の配置も前日までに済ませておきます。ベッドのシーツのシワ、水回りの水垢、窓の汚れなど、写真は意外と細かいところを拾います。直前にバタバタしないよう、余裕を持って整えておくのがおすすめです。
戸建ての場合は、階段が写るアングルや、外観・玄関の撮影も忘れずにリストに入れておきます。私の場合、リストに入れておいたおかげで取り漏らしを防げました。
そして当日の天気予報のチェック。理想は晴れの日です。曇りや雨の日でも編集で明るさを調整してもらえますが、自然光が豊富な日に撮るのとはやはり仕上がりが違ってきます。
まとめ:物件のフェーズと予算で選び方を変える
ここまで、民泊の写真撮影をプロに依頼できる5つの選択肢をご紹介してきました。
これから民泊を始める方で、リスティング公開前にしっかり写真を準備したいという場合は、身内・知人のカメラマン、近所の写真屋さん、代行会社、クラウドソーシングのいずれかから選ぶのがおすすめです。Airbnbの写真撮影プログラムは私が利用を検討した当時、公開後にしか申し込めない仕様だったように記憶しているため、開業時の選択肢としては少し慎重に確認しておいた方がよさそうです。
すでに運営中で、追加の写真を撮りたい段階であれば、Airbnbの写真撮影プログラムも有力な選択肢になります。フリーランスのプロカメラマンによる撮影と編集チームによる仕上げを、Airbnb経由でまとめて頼める手軽さは大きな魅力です。
そして、どの依頼先を選ぶにしても、ホスト側の事前準備で仕上がりは大きく変わります。撮影箇所のリストアップ、清掃、晴れの日の選択、広角レンズの確認。この4点を押さえておくと、後悔のない撮影ができるはずです。
民泊の写真は、ゲストにとっての「内覧」の代わりです。ここでケチらず、しっかり投資する価値があると、2棟運営してきた今は心から思っています。
民泊運営に関する記事はnoteでも販売しているので、よければそちらもどうぞ。

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