公開レビューで一番よく書かれる褒め言葉、なんだと思いますか?
うちの物件(戸建て民泊2棟・大阪)の直近107件のレビューを見返してみたところ、言語を問わず最も多かったのは「clean」「きれい」「干净」「깨끗한」——つまり「清潔さ」でした。
ありがたいことです。でも、話はここで終わりません。
非公開レビュー(ホストにだけ届くレビュー)47件を分類してみたところ、改善指摘が含まれていたのは11件。そしてその中で最も多かったカテゴリもまた「清掃」だったのです。
公開では「きれい」と書いてくれている。でも非公開には「実はここだけ気になった」と書いてある。
この記事では、うちの物件で実際にあった非公開レビューの清掃指摘と、それをどうチェックリストに落とし込んだかをまとめます。
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公開レビューには書かれない「奥」の話
まず前提として、非公開で改善指摘を書いたゲストの行動パターンを共有します。
11件の改善指摘のうち、公開レビューでも同じことに触れていたのはわずか1件。残りの10件は、公開では褒めだけを書き、非公開でだけ指摘していました。
つまりゲストは、公開レビューでは他の旅行者に向けて「全体的にきれいでした」と情報提供し、非公開ではホストに向けて「ここだけ気になりました」と伝えるという使い分けをしているのです。
この構造を知らないと、公開レビューだけ見て「うちは清掃に問題ない」と思い込んでしまいます。
実際に指摘された5つの「清掃の盲点」
非公開レビューで指摘された清掃関連の内容を並べてみると、あることに気づきます。
全部「表面」ではなく「奥」の問題なのです。
盲点1:ソファのクッションの下
クッションが取り外せるタイプのソファで、表面はきれいに見えていても、クッションを外した内側に前のゲストのお菓子のくずが残っていた、という指摘がありました。

赤ちゃん連れのゲストで、お子さんがそのくずを口に入れてしまったとのことでした😨

盲点2:カーペット・ラグの下
リビングのカーペットの下にポテトチップスのくずが落ちていた、という指摘も別のゲストからありました。こちらも赤ちゃん連れの方でした。
フローリングの上に敷いているラグは、表面を掃除機がけしても裏側やラグの下までは見ないことが多い。でもハイハイする赤ちゃんがいるゲストにとっては、そこが一番気になるポイントだったのです。
盲点3:洗濯機のゴムパッキン
洗濯乾燥機のドア周りのゴムパッキンに、乾燥時に出る繊維くずが固まって残っていた、という指摘がありました。
このゲストは自分で掃除してから使ったとのこと。毎回の清掃で対処する箇所ではないかもしれませんが、放置するとゲストの印象に直結します。

盲点4:浴室の換気扇
浴室の換気扇が掃除されていなかった、という指摘がありました。合わせて、トイレの消臭スプレーが切れていたことも。
正直に言うと、換気扇は私も見落としていました。毎回のターンオーバーでチェックする項目に入っていなかったのです。
盲点5:ソファの染み
ソファに染みがあった、という指摘。このゲストは「自分たちは気にならなかったけど、他の人は気にするかもしれない」と書いてくれていました。
ファブリック素材のソファは、時間が経つと染みが目立ってきます。毎回の清掃で気づくものと、角度や光の加減で見えにくいものがあるのが厄介なところです。
指摘を受けて、実際にやったこと
これらの指摘に対して、うちではこう対応しました。
清掃業者への申し送り
うちの清掃は外部の清掃業者に委託しています。指摘があった場合は、統括の方のLINEに「こういう指摘があったので、清掃時に気をつけてください」という形で都度申し送りをしています。
加えて、現地の清掃用品を置いている倉庫に、完成形の部屋の写真をラミネートして置いているのですが、そこにも注意点を追記するようにしました。口頭やLINEだけだと担当者が変わったときに引き継がれないので、現場に「見える形」で残しておくのが大事です。
※清掃業者の選び方については別記事にまとめています
チェックイン前の自分の目
私は基本的に毎回チェックイン前に確認しに行きます。ソファのクッションの下など、見落としやすい箇所は自分でもチェックして手直しすることもあります。
清掃業者にすべてを任せきりにしないのは、業者さんの作業品質が悪いからではなく、「見る視点が違うから」です。清掃のプロは衛生面を見てくれますが、ゲスト目線で「ここ気になるかも」と思う箇所は、ホスト自身が一番わかっています。
月1のセルフチェック
洗濯機のパッキンや洗剤の残りなど、毎回掃除するほどではないけれど、月に一度くらいは見ておかないといけない箇所は、予約が空いた日に私が自分で確認するようにしています。
窓サッシなど、通常の清掃ではカバーしない部分もこのタイミングでチェックしています。換気扇もこのセルフチェックの項目に追加しました。
清掃コストは変わったか?
申し送り事項を増やしたことで清掃費が上がったかというと、特に変わっていません。毎回追加でやることが増えるわけではなく、「ここを意識して見てほしい」という注意喚起のレベルなので、作業時間にも影響はありませんでした。
備品の不足に関する指摘にどう対応したか
清掃以外にも、非公開レビューには備品に関する指摘がいくつかありました。対応したものとしなかったものがあります。
対応したもの
キッチン関連の指摘(ピーラーがない、フライパンがもう一つほしい、包丁が1本しかない)は、すべて追加で対応しました。キッチンを実際に使うゲストが増えており、長期滞在のゲストほどキッチン備品の過不足に敏感です。
消耗品の補充切れ(トイレの消臭スプレーなど)は、純粋なうっかりだったので、チェックイン前確認の項目に追加しました。
対応しなかったもの
「各トイレにハンドソープを置いてほしい」という指摘が1件ありました。これは対応しませんでした。
日本の住宅のトイレは便座の上にある手洗い(タンク上の水栓)で手を洗う構造になっていて、そこに石鹸を置く習慣はあまりありません。海外ゲストの感覚としては「トイレに石鹸がない」と感じるのだと思いますが、1件だけの指摘に対してすべてのトイレにハンドソープを設置するのは過剰対応と判断しました。
すべての指摘に対応する必要はないと思っています。大事なのは「なぜ対応しないか」を自分の中で言語化しておくことです。
清掃チェックリスト
最後に、非公開レビューの指摘と自分の運営経験をもとに作った、チェックリストをまとめます。
毎回のターンオーバー時(清掃業者+ホスト確認)
- ソファのクッションを外して、下にゴミや食べかすがないか確認
- カーペット・ラグをめくって下を確認
- 洗濯機の糸くずフィルターの清掃(戻すときにカチッと奥までしっかりはめる)
- 消耗品(トイレスプレー、洗剤、ゴミ袋等)の残量チェック
- キッチン家電の裏や隙間にゴミや落し物がないか確認
- 備品の数や状態の確認(食器、カトラリー、調理器具)
- ネジ類の緩みチェック(タオルハンガー、ドアノブ等)
月1回のセルフチェック
- 洗濯機のゴムパッキン、洗剤投入口の汚れ
- 浴室、キッチンの換気扇
- 窓サッシの汚れ
- ソファの染みや傷みの確認
- エアコンフィルターと臭いの確認
匂い対策は「見えない清掃」
清掃と少し離れますが、匂いの話も書いておきます。
日本人ゲストは匂いに敏感です。海外ゲストの後は香水や体臭の匂いが残ることがあり、次が日本人ゲストの場合は特に気を遣います。
うちではオゾン脱臭や消臭スプレーを使い、玄関にはフレグランスを置いています。目に見える清潔さだけでなく、「匂いの清潔さ」もゲストの満足度に直結するポイントです。
まとめ
公開レビューで「きれい」と書いてもらえているからといって、清掃に問題がないとは限りません。ゲストは気づいたことを非公開レビューに書いてくれています。それも、好意的なゲストほど。
非公開レビューを「感想」としてではなく「清掃のフィードバックデータ」として読む。そこから具体的なチェック項目を抽出して、清掃業者への申し送りと自分のセルフチェックに落とし込む。レビューを運営に活かす考え方全般については、noteのシリーズでも書いています。
やっていることは地味ですが、「表面はきれい、でも奥は?」という問いを持ち続けることが、レビュー評価を維持する一番の近道だと思っています。
民泊運営全体の流れを知りたい方は、こちらのロードマップ記事もあわせてどうぞ👇




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